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摂食障害について |
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私は昭和45年以来、1,000例を超える摂食障害の患者さんを診てきました。
昔は極端な食事制限による拒食症が主でしたが、昭和50年頃から、むちゃ食いと嘔吐による拒食症が増えだしました。その後、著しい低体重はなく、むちゃ食いと嘔吐、下剤の乱用など食行動に異常のある過食症が増加してきました。この過食症の半数は拒食症からの移行で、残りの多くもダイエット後の体重減少をきっかけに発症しています。最近では、むちゃ食いのみのむちゃ食い障害も増えつつあります。
私のところを受診後、4年以上経過した人の予後調査をしたところ、早期に発見して治療を受けた人の約7割が良くなっていました。しかし、こじらせてから受診した人の予後が悪く、拒食症では15人に1人が死亡していました。
この病気の怖さを知らなかったり、逆に治らない病気だと勘違いして受診せず、こじらせてから私のところを受診される患者さんが少なくないことは残念です。
また、私たちは京都府下の中学、高校、大学の協力を得て、大規模な実態調査を1982年、1992年、2002年に実施しました。その結果、2002年の調査で女子学生の50人に1人が拒食症、25人に1人が過食症、10人に1人がその予備軍であることがわかりました。この10年間に拒食症は2倍、過食症は3倍に増加しています。
病気をこじらせる前に、当クリニックを受診することが大切です。 |
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