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前回、紹介した高額ながん治療薬オプシーボは薬価が引き下げられることになりました。しかし、その方法はいかにも日本的です。欧米であれば、なぜそのような高額な薬価がついたのか、また現在の日本の薬価評価法は欧米と比較してどの点が異なっているのかなど根本原因を追究するはずです。ただ、薬価を下げるだけでは、根本的解決にはなりません。
私が現在、気になっていることはジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品は後発医薬品ともいわれ、開発された医薬品の特許期間が満了した後に、有効成分とその量は同じになるように製造される医薬品です。先発医薬品より安価です。先発医薬品と有効成分とその量は同じですが、薬の形状、色、味、添加物などは異なることがあります。 そのため、例えば飲み薬の場合、同じ主成分が同じ量だけ入っていても、添加物などの条件が変わることにより、薬が吸収される速度や、有効成分が分解される状態が異なり、薬の作用そのものが大きく変わってしまう可能性があります。その結果、「薬が効きすぎたり」、「効果が出にくかったり」、「副作用の出方」などに差が出る可能性があります。例えば、糖尿病治療薬の場合、薬が効きすぎて、血糖が下がりすぎ、網膜症や腎症などの合併症が悪化した時、誰が責任をとるのか危惧します。また、私の外来では、ジェネリック医薬品で効果がなかったので、先発薬に戻すと効果が出た方がおられます。この場合、使用しなくて無駄になったジェネリック医薬品の費用は患者負担となり、気の毒です。ジェネリック医薬品を服用してからの血中濃度を先発薬と比較した成績ぐらいはパンフレットに記載することを義務付けるべきだと思います。 もう一つ気になることは、ジェネリック医薬品の価格です。厚生労働省のホームページには、ジェネリック医薬品の価格設定の基準が掲載されています。3通りあり、新薬の場合はその7割、既にジェネリック医薬品がある場合は一番安いものと同一価格、既にあるジェネリック医薬品の品目数が20品目以上の場合は一番安いものの9割の価格です。この基準によると、ジェネリック医薬品の価格は一定のように思われます。しかし、現実にはジェネリック医薬品を製造する会社が多数あり、価格に大きな差があります。よく使用する血圧や、コレステロールを改善する薬では、倍以上の価格差も珍しくありません。 品質確保とともに価格設定の基準を明確にする必要があります。
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2016年12月6日(火)
No.76
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